つらい早朝覚醒を改善したい

朝、早くに目が覚めて、二度寝ができない。つらいですよね。

 

この早朝覚醒と呼ばれる症状の原因と改善方法についてまとめてみました。

 

睡眠環境を整えたり、遮光カーテンなど日常でできることや、薬、サプリ、病院での治療についてなどなど、参考にしてみてください。

 

 

早朝覚醒とは

早朝覚醒とは、冒頭で述べたように朝早く目が覚めてしまうことです。

 

起床予定時間より数時間も早く目が覚めてしまう、ということ自体は、誰にでもあることです。

 

でもそれが毎日のように続いたり、しかも一度目が覚めてしまうとそのまま寝つけなくなってしまう、ということが続いて、睡眠不足になってしまうと、これは睡眠障害とみなさなければなりません。

 

気をつけたいのは、早朝覚醒は不眠症の1種であるということです。不眠症には、

 

  • 入眠障害……寝つけない
  • 中途覚醒……途中で目が覚める
  • 早朝覚醒……早く目が覚める
  • 熟眠障害……「眠った」という満足感が感じられない

 

以上のように、早朝覚醒も含めて4つのパターンがあります。

 

社会生活では、朝寝坊→×、早起き→○、という認識が強いですから、早朝覚醒と聞いてもあまり深刻にとらえなかったり、お年よりの場合は「年のせい」で片づけられてしまいがちです。

 

でも、前述したように、早朝覚醒はれっきとした不眠症の1パターンです。不眠症のほかの症状も一緒に現れていることも少なくありませんし、後述しますがうつ病の初期症状として、早朝覚醒が現れていることもあるのです。

 

ご自身や周りの方に早朝覚醒が起こっている場合は、軽く考えずに、原因を探り、治療も含めた適切な処置をすることが大切なのです。

 

国際的なガイドラインによると、以下のような症状が見られるときは、早朝覚醒と判断されます。

 

  • 起きたい時刻よりも2時間以上前に目が覚め、再び眠れないことが週に2回以上ある。
  • なおかつ、このような症状が1ヶ月以上続き、日中に眠気を感じたり、生活に支障をきたしている。

 

 

早朝覚醒の原因

早朝覚醒は、そもそもなぜ起こるのか?

わたしたちの眠りの深さは一定ではありません。

 

睡眠に入った直後にもっとも深くなり、そのあとは深くなったり浅くなったりのリズムを交互に繰り返しながら、明け方に近づくにつれてじょじょに浅くなっていきます。

 

早朝睡眠は、この睡眠のリズムが崩れ、明け方に近づいたときに眠れが急激に浅くなることによって起こります。

 

睡眠のリズムが崩れる要因は人によってさまざまですが、代表的な要因としては、以下のようなことがあげられます。

 

加齢 加齢によって睡眠の質は低下する傾向があります
ストレス ストレスによる自律神経の乱れが、睡眠を浅くします
体内時計の変調 バイオリズムの乱れが、睡眠のリズムを乱すことがあります
アルコール 就寝前の飲酒は、眠りを浅くします
カフェイン 人によっては、覚醒効果が長く続くことがあります
睡眠環境 室温や騒音など、睡眠に適さない環境が原因になることもあります
うつ病 うつ病は、初期段階では睡眠障害をともなうことがあります。

 

早朝覚醒の原因は人によってさまざま

早朝覚醒の要因

 

ひとつずつ解説していきましょう。早朝覚醒とうつ病の関係については、別のトピックであらためて解説します。

 

 

加齢

データによると、睡眠の質は20歳前後でピークを迎えます。そこを過ぎるとゆっくりと質が低下し、40歳を過ぎると加速度的に下がります。

 

つまり、若いときよりも寝つきが悪くなり、目を覚ましやすくなっていくわけです。

 

なぜ加齢によって睡眠の質が低下するのかは、新陳代謝の低下、筋力の低下によって運動量が減少するため、など、いくつか説がありますが、明確な答えはでていないようです。

 

 

ストレス

心身に慢性的なストレスが加わると、自律神経の交感神経が優位に働きます。

 

交感神経は、脈拍や血圧を上昇させるなど、体を興奮状態に誘導します。これはストレスに抵抗するための体の反応なのですが、そうした状態が日常的に続いていると、睡眠時間を迎えても心身がリラックスすることができなくなります。

 

その結果、うまく眠りに入れなくなったり、早く目が覚めてしまうことになります。

 

心配事があると眠りが浅くなってしまいますよね。

 

 

体内時計の変調

夜勤や残業などで夜に起きている生活が続くと、睡眠のリズムが乱れてきます。

 

わたしたちの体は、朝に明るい日光を浴びることで1日の体内時計が動き出し、14、5時間後に睡眠をつかさどるホルモンが分泌されて、眠気を感じる仕組みになっています。

 

そのため、夜・昼が逆転した生活が続くと、睡眠のホルモンが正常に分泌されず、時間がきても寝つけない、すぐ起きてしまうといった症状が現れます。

 

 

アルコール

「寝酒をするとよく眠れる」という方は少なくありません。

 

確かにアルコールには鎮静作用があります。眠りに入りやすくなるのは確かなのですが、でも一方で、深睡眠(深く眠っている時間のことです)の時間を短くしてしまうことがわかっています。

 

アルコールが体内で代謝されるときにはアセトアルデヒドが生成されます。この物質は、交感神経を優位にして、心身を興奮状態に誘導してしまいます。

 

そのため、アルコールでスムーズに眠りについたとしても、睡眠自体は浅くなってしまうわけです。

 

 

カフェイン

コーヒーやお茶に目覚ましの作用があることはよく知られていますから、寝る前に飲む方はあまりいないと思います。

 

カフェインがもっとも強く体に効くのは、飲んだ20分〜30分後です。でも実はそのあとも、4時間くらいは体に作用し続けるのです。

 

つまり、夜10時に寝ている人が8時にコーヒーを1杯飲むと、カフェインが作用している状態でベッドに入ることになります。結果、体がリズムよく睡眠をとれず、早く目覚めてしまう原因になります。

 

人によってはカフェインは8時間近く作用することもありますから、早朝覚醒を避けたい方は、カフェインは1日の早い時間だけにしましょう。

 

睡眠環境

外的な刺激も早朝覚醒の原因になります。

 

早朝に目が覚めてしまう方は、睡眠が全体に浅い傾向があるため、体が外部からの刺激を受けるとすぐに目を覚ましてしまいます。

 

たとえば自宅のそばを大型トラックがひんぱんに通ってうるさい、寝室が寒すぎたり、または暑すぎる、ベッドのマットレスが硬すぎて寝心地がよくないなど。

 

そのほか、室内に射し込む日光なども、早朝覚醒の要因になります。

 

 

早朝覚醒とうつとの関係

うつ病と睡眠は密接な関係があり、うつに悩んでいる方の中には、同時に不眠にも悩まされているケースが多く見られます。

 

うつと不眠の併発には、

 

  • 不眠のあとにうつが現れる
  • うつのあとに不眠が現れる
  • うつと不眠が同時に現れる

 

以上の3つのパターンがありますが、それぞれの割合は、ほぼ同程度です。うつと睡眠障害との関係がよくわかるのではないでしょうか。

 

 

特に入眠障害と早朝覚醒に注意

冒頭で述べたように、不眠症は主に4つの症状に分類されます。

 

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟眠障害

 

いずれの症状も、うつとの併発が見られるのですが、「入眠障害」と「早朝覚醒」は、特にうつの初期症状の段階でよく現れる症状です。

 

つまり、このふたつの睡眠障害がある場合は、うつを併発する、またはすでに併発している可能性があるということです。早い段階での対策が大切になります。

 

「早朝覚醒」、「入眠障害」、「うつ」は相互関係がある

 

早朝覚醒とうつの関係

 

うつかどうかを見分けるには?

簡単な判断材料としては、早朝覚醒に加えて、そこにさらに「無気力」や「マイナス思考」がともなっているかどうかがポイントになります。

 

うつと早朝覚醒が併発している場合は、目が覚めたあと、布団から出て何か活動しようという気力が湧きません。

 

早く目が覚めてしまったとき、台所で温かいものでも飲んでこようとか、眠れないからこのまま本でも読んで過ごそうとか、そのようにとらえる場合は、うつではありません。

 

うつが原因の早朝覚醒は、眠れないことに強い不安を抱いたり、正常な睡眠が取れない自分は価値のない人間なのでは、など、自己否定的な考えにとらわれる傾向が強く見られます。

 

眠れず、かといって起き上がって何かする気力もなく、横になったままマイナスの思考にずっと捕らわれている場合は、単なる不眠症ではなく、うつの可能性が高いです。

 

また、目に見えるうつのサインとして、体重減少があることにも注意しましょう。

 

 

早朝覚醒の改善方法

体に浴びる光をコントロールしよう

寝室にはできるだけ遮光カーテンをかけて、早朝の日光を遮断します。光の刺激で目覚めてしまうことのほかに、朝の日光には、人間の体内時計をセットする作用があるのです。

 

太陽光のような明るい光が目から入ると、体を活動的にする「セロトニン」という脳内物質が体内で生成されます。セロトニンの分泌から14〜15時間が経過すると、今度は体を睡眠に誘導する「メラトニン」が分泌されます。

 

つまり、太陽光を浴びた時点で体内時計がスタートし、14、5時間が経過すると自然と眠くなるというわけです。

 

そのため、起床時間前に太陽光を目に受けてしまうと、その分早く眠くなり、さらに早く目が覚めるという、悪循環が生まれるもとになります。

 

特に夏場は日の出が早いですから、就寝時間中は遮光カーテンをかけて寝室は暗くしておき、起床時間になったらカーテンを開けるようにしましょう。

 

曇った日や、住宅環境のせいで朝日を浴びることが難しい場合は、太陽光と同等のライトを浴びても効果があります。

 

目安は、5,000-10,000ルクス程度の照度を30分〜1時間浴びます。ライトを見ている必要はないので、居間や台所の照明を明るいものに変えて、朝のひと時を過ごすとよいでしょう。

 

 

疲労をコントロールしよう

適度な疲労は、眠りを深くします。

 

ポイントは、「体」と「脳」の両方を疲労させるようにすること、それから、疲労が重くなりすぎないようにすることです。

 

体も頭もくたくたになるまで疲れると、バタンキューでぐっすり眠ることができそうですが、実は疲労が残ってしまうとそれ自体が心身へのストレスになって、かえって眠りが浅くなってしまうことも。

 

運動をするならば、サイクリング、ウォーキングのような軽いものがおすすめです。

 

脳の場合は、普段やっていないことや、新しいことにちょっと挑戦するくらいで充分です。たとえば作ったことのない料理を作ってみたり、普段はやらない日曜大工をやってみるなど。

 

計算問題や洋書を読むなど、面倒なことだとストレスになってしまいますから、楽しいと感じる範囲でやるのが大切です。

 

 

脳内物質をコントロールしよう

「体に浴びる光をコントロールしよう」のトピックで、脳内物質の「メラトニン」が、体を睡眠に誘導すると解説しました。では、メラトニンをサプリメントなどで摂ることは、できないのでしょうか?

 

まずは結論からいいますと、

 

「メラトニンをサプリメントで摂ることは可能ですが、副作用など問題もあるため、必須アミノ酸のトリプトファンのサプリメントを飲むのがおすすめです」

 

メラトニンが体内で分泌されるためには、まずトリプトファンからセロトニンが生成される必要があります。さらに、そのセロトニンからメラトニンが合成されて、脳内物質として分泌されることになります。

 

セロトニンの合成過程

 

睡眠障害の方は、メラトニンの分泌量が減少していることが少なくないので、トリプトファンを充分に摂取することで、メラトニンの分泌を増やすことができます。

 

睡眠サプリを選ぶ際には、トリプトファンが配合されているものを選びましょう。

 

1日の摂取量の上限は6,000mgを目安にしてください。過剰摂取を続けると、肝機能障害のリスクがあります。

 

メラトニンのサプリメントの問題は?

まず、メラトニンは日本では医薬品扱いになっているため、サプリメントとしては購入できないことがあげられます。海外のショップから個人輸入としいう形で購入することは可能です。

 

ただ、もともと体内で合成される物質なので、サプリメントで服用すると、メラトニンを生成する能力が低下するリスクがあります。

 

その結果、かえって睡眠障害が重くなったり、悪夢を見て眠りが浅くなるなどの症状が起こってきます。

 

そのほかには、頭痛、腹痛、吐き気といった健康障害も報告されています。早朝覚醒の対策としてメラトニンのサプリメントは有効とはいえません。

 

 

睡眠環境をコントロールしよう

マットレスが硬い、枕が高すぎたり、低すぎたりする、寝室の温度が快適でないなど、寝室の環境が睡眠に適していないと、うまく睡眠がとれません。

 

アルコールやカフェインの摂取にも気をつけましょう。どちらも、少なくとも夕食後には摂らないほうが安心です。

 

 

早朝覚醒の病院での治療

なかなか改善が見られない場合は、病院での治療もひとつの対策方法です。睡眠障害は、

 

  • 内科
  • 心療内科
  • 精神科
  • 不眠症外来

 

などで扱ってくれます。

 

いちばん適しているのは不眠症外来です。専門機関なので安心感があるのですが、まだ数が少ないのがデメリットです。

 

近くに不眠症外来がなければ、まずは内科に行くのがよいでしょう。

 

不眠は、精神的な要因、肉体的な要因、生活環境の要因など、原因は多種多様です。とりあえず、取り扱う症状の範囲が広い、内科に相談してみるのがよいのではないでしようか。

 

症状に応じて、心療内科や精神科の病院を紹介してもらうこともできます。

 

 

病院での治療

生活習慣や睡眠環境の改善指導や、認知行動療法、精神安定剤や睡眠導入剤による薬物治療などが、主な治療のプログラムになります。

 

睡眠を阻害するような生活習慣が見つかればそれを取り除いたりして、体や心、生活全体を睡眠に適したコンディションに誘導します。

 

認知行動療法は、患者さんのストレスやその原因を見つけ、物事の考え方、行動の仕方とストレスとの関係を整理して、ストレスを取り除いていく治療法です。

 

不眠症、うつなどの治療にしばしば用いられる方法です。

 

早朝覚醒の原因は人によってさまざまですから、このほかにも、カウンセリング、サプリメントや漢方薬の処方など、いろいろな治療法があります。

 

関連記事

睡眠導入剤について