熟睡障害を対策するには?

よく眠れないのは、熟睡障害のせい?

 

この記事では、熟睡障害の症状について、簡単なチェック方法、その原因について。

 

さらには、熟睡障害を改善する薬、漢方、サプリ、病院での治療などを紹介します。熟睡障害で悩んでいる方、必見です!

 

 

 

熟睡障害とは?

しっかりと睡眠をとったはずなのに、朝起きるのがつらい、「熟睡した」という満足感、すっきり感がない……。これは熟眠障害と呼ばれる症状です。

 

熟眠障害は、れっきとした睡眠障害です。でも、なかなか寝つかれない入眠障害や、夜中・早朝に目が覚めてしまう中途覚醒、早朝覚醒と比べると、表面的には睡眠が取れているように見えます。

 

そのため本人以外には症状がわかりづらく、

 

「気のせいじゃないの?」
「寝すぎで頭がぼんやりしてるんじゃないの?」

 

と、真剣に取り合ってもらえないことも多く、症状を抱える方の苦痛をさらに深めることになります。

 

 

熟眠障害のメカニズム

寝つきも悪くなく、朝まで眠っているはずなのに、「眠った」という満足感がないのは、睡眠のリズムが悪く、眠りが浅いことが原因です。

 

熟睡した人の睡眠のリズムをグラフにしてみると、眠りに入った直後から3時間後までにもっとも眠りが深くなり、その後は深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)をくり返しながら、朝に向かって徐々に浅くなっていきます。

 

しかし、熟眠障害の方の睡眠リズムは、最初のもっとも深い睡眠の時間が短く、さらに、浅くなるときは目が覚めるぎりぎりのところまで浅くなってしまう、という特徴があります。

 

体と心、両方が充分に休息するためには、ノンレム睡眠とレム睡眠、両方が必要です。

 

でも熟眠障害の方は、そのどちらにかんしても、熟睡している人よりも時間が短くなっているのです。睡眠時間を確保しているのに「休んだ」という感覚が乏しいのは、こうした理由があるのです。

 

熟眠障害の人は寝つきはよくても睡眠の質は低い

 

熟眠障害の仕組み

 

 

熟睡障害のチェック

睡眠障害かどうかについては、睡眠障害国際分類(ICSD)という、国際的なガイドラインがあります。それによると、熟眠障害と判断されるのは、以下のような場合です。

 

□ 朝起きたときに、「ぐっすり眠った」という満足感が感じられないことが週2回以上ある。
□ そうした状態が少なくとも1ヵ月続いている。
□ また、日中に強い眠気 を感じるなど、日常の生活に支障をきたしている。

 

 

不眠症チェックシートで自分の睡眠をチェックしてみる

不眠症を診断するチェックシートを紹介しましょう。睡眠にかんする質問に答えていき、合計得点で不眠症のタイプ、度合いなどを診断するものです。

 

  • アテネ不眠尺度
  • エップワース眠気尺度
  • セントマリー病院睡眠質問票
  • ピッツバーグ睡眠質問票

 

4つとも、実際に医療現場でも使用されているものです。

 

アテネ不眠尺度

世界保健機構のWHOが作成したチェックシートで、質問数は8問。比較的シンプルなチェックシートです。

 

どのくらいのレベルで不眠症の疑いがあるのかを、3段階で診断します。

 

エップワース眠気尺度

日中の眠気の強さを診断するチェックシートです。

 

8問の質問に答えて得点を合計し、12点以上だと日中に明らかな眠気があると判断されます。

 

セントマリー病院睡眠質問票

直近24時間以内の睡眠についてのチェックシート。就寝や起床の時刻、よく眠れたかどうかなどについて14項目の質問があります。

 

不眠をはかるというよりは、自分自身の睡眠を観察してデータを取るためのチェックシートです。

 

ピッツバーグ睡眠質問票

こちらは直近1ヵ月間の睡眠についてのチェックシートです。1ヵ月間の睡眠傾向をチェックすることができるため、不眠症やうつ病、不安障害などのチェックに有効とされています。

 

逆に、夜勤などで昼夜逆転の生活習慣の方は、このピッツバーグ睡眠質問票では正確なデータが取れない可能性があります。

 

 

熟睡障害の原因

熟眠障害の原因はさまざまですが、主なものとしては、

 

  • 加齢
  • ストレス
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 生活習慣

 

などが考えられます。

 

 

加齢

睡眠をつかさどっているのは、自律神経の副交感神経と、メラトニンなどのホルモンです。

 

しかし、加齢にともなって、自律神経がスムーズに働かなくなったり、ホルモンの分泌は低下するといった体の変化が現れてきます。お年寄りは眠りが浅い、早く目が覚めるといわれるのは、こうした体の変化によるものです。

 

お年寄りで、特に思い当たる要因がないのに、熟眠感がないという方は、加齢が原因かもしれません。

 

 

ストレス

日常的に強いストレスを感じる生活が続くと、自律神経の交感神経が常に働く状態になります。

 

交感神経は、ストレスを感じたときに、危険にそなえて心身を活動的にさせる機能があるのですが、そうした状態が長く続くと、興奮状態をスムーズに解くことができなくなります。

 

睡眠中も体や心が興奮状態に置かれるため、ちょっとしたことで眠りがぐっと浅くなってしまうのです。

 

 

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に、何らかの原因で呼吸が止まる症状です。以前、マスコミでも大きく取り上げられたこともあるので、耳にしたことがある方も多いと思います。

 

呼吸が止まって苦しいため、睡眠が浅くなってしまいます。

 

肥満傾向の方の場合は、首周りの脂肪が気道を圧迫して起こったり、枕が高すぎて呼吸を妨げているケースなどがあります。

 

チェック方法

睡眠中に起こる症状なので、本人に自覚がないことが多いです。

 

家族と同居している方は、睡眠中にいびきがないかをチェックしてもらってください。いびきがひどく大きかったり、不規則、苦しそうだったりする場合は、呼吸がさまだけられている可能性があります。

 

ほかには、

 

  • 睡眠中に息苦しさを感じる、むせる
  • 寝汗をかく
  • 朝起きたときに口の中が乾いている
  • 起床時に頭が痛い、体が重い

 

なども、よく見られる症状です。

 

 

生活習慣

  • カフェイン
  • アルコール
  • タバコ

 

これらは睡眠を浅くする作用があります。

 

カフェインの覚醒作用はよく知られていますが、タバコにも同じような覚醒作用があります。

 

タバコに含まれるニコチンが抹消の血管を収縮させるため、全身の血流が悪くなります。それを補おうとして動悸が早くなったり、血圧が高くなります。

 

これは興奮したり、体を動かしているのと同じ状態ですから、心身がリラックスすることができず、浅い眠りになってしまいます。

 

また、アルコールは、体内で分解される際に生成されるアセトアルデヒドが交感神経を刺激するため、やはり心身が興奮状態になって眠りを妨げます。

 

できれば夕食後は控えるようにしましょう。

 

このほかには、寝る前のスマホやテレビ、ゲームなどもよくありません。

 

熟眠障害の方は、寝つきは悪くないのでつい、就寝前にお酒を飲んだり、スマホを使ったりしてしまうかもしれませんが、眠りに入ったあとで、体に悪い影響を及ぼします。注意してください。

 

 

熟睡障害を改善するには

サプリメント

サプリメントで熟眠障害の対策をするには、まずはトリプトファンが配合されたものを選ぶのがいちばん大切です。そのほかには、リラックス効果がある成分や、血流改善効果のある成分が入ったものがよいでしょう。

 

トリプトファン

記事の上のほうで少しふれましたが、リズムの整った睡眠のためには、ホルモンのメラトニンの分泌が不可欠です。

 

メラトニンは、アミノ酸のトリプトファンから合成されます。また、トリプトファンからは自律神経を整える作用のあるセロトニンも合成されるため、睡眠にトラブルがある方は、トリプトファンを充分に摂りましょう。

 

ちなみに、メラトニンを直接サプリメントで摂るのは、副作用が報告されており、おすすめできません。

 

リラックス効果のある成分
GABA

アミノ酸のGABAには、副交感神経を活性化させ、心身をリラックスさせる効果があります。また、就寝前に飲むと体温を適切に下げて睡眠の質を上げる効果もあります。

 

EPA・DHA

青魚に含まれる脂肪分です。

 

脳の情報伝達を抑制することで、気分を安定させます。イライラやストレスを感じるている方におすすめです。

 

テアニン

お茶のうまみ成分であるテアニンは、脳や自律神経の興奮状態を整え、精神を落ち着ける働きがあります。

 

 

血流改善効果のある成分

血流改善成分には、血圧を上げて血流をうながす強壮作用のものと、抹消血管を拡張させて促進させるものがありますが、後者を選んでください。

 

抹消血管が拡張することで血圧が適度に下がりますし、血液がまんべんなく流れると自律神経を整えることができます。

 

  • ショウガ
  • ニンニク
  • イチョウ葉

 

などがおすすめです。

 

熟眠障害のサプリメントに必要な成分は3種類

 

サプリメントの成分

 

 

漢方

熟眠障害の方に効果があるのは、「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」です。

 

東洋医学では、不眠は「気」の乱れが主な原因とされます。

 

「気」が過剰なために起こる不眠を「実証」、「気」が不足しているために起こる不眠を「虚証」と分類しますが、加味逍遙散はどちらのタイプの不眠にも効果を発揮します。

 

具体的な効能としては、血液循環をうながして体を温め、一方ではのぼせを取る効果もあります。また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。

 

 

市販薬

市販されている睡眠改善薬は、基本的に抗ヒスタミン剤になります。

 

これはなかなか眠りにつけない入眠障害にはあるていど効果がありますが、熟眠障害のように、眠りにはつくことができるけれど眠りが浅い、という症状には、思ったほどの効果がありません。

 

かえって睡眠が浅くなるケースもありますし、市販薬は避けたほうがよいでしょう。

 

 

病院で治療を受ける

病院で治療を受ける場合は、熟眠障害が何によって生じているのかによって、診てもらう科が違ってきます。

 

原因 受診する科
ストレス、うつなどによる不眠 精神科
体調不良をともなう不眠 心療内科
無呼吸症候群による不眠 呼吸器内科
その他 内科

 

でも、これを自己診断するのは難しいですよね。

 

とりあえず上記の科が開設されている総合病院に行き、症状を説明して、どこで診察を受けるべきか聞くのがよいのではないかと思います。

 

 

治療

薬物治療と認知行動療法がメインです。

 

薬物は、精神安定剤や(うつなどが原因の場合)睡眠薬が使われますが、熟眠障害の場合には睡眠薬は効果が薄いともいわれます。

 

認知行動療法は、カウンセリングを受けながら患者さんが睡眠トラブルを見つめなおし、精神的なストレスを開放していく治療です。

 

医師は、睡眠の質を高めるための生活改善や、不眠を感じた場合の対処法などもあわせて指導します。

 

薬物治療には、睡眠導入剤(睡眠薬)などでの治療もありますが、依存症や副作用などの心配もあるため、睡眠導入剤は安易に頼らないほうがよいよい可能性もあります。

 

関連記事:睡眠導入剤について