睡眠導入剤「マイスリー」の特徴と副作用について

日本人の不眠症で悩んでいる人の割合は21.4%で、これは2,000万人以上が、不眠の症状で悩んでいるという計算になります。

 

不眠と言っても症状はさまざまで、寝付きが悪い、早朝に目が覚める…など、医師が処方する睡眠導入剤も症状にあわせてたくさんの種類があります。

 

今回は睡眠導入剤として処方される機会が多い「マイスリー」について、特徴や成分、効果、持続時間や副作用、その他注意点について紹介します。

 

医師の問診を受ける女性

 

睡眠導入剤「マイスリー」の特徴

 

マイスリーは2000年から発売されている、近年から使用されるようになった睡眠導入剤です。

 

日本では一番処方される機会が多い睡眠導入剤と言われます。

 

マイスリーは非ベンゾジアゼピン系

 

マイスリーは、非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠導入剤です。

 

非ベンゾジアゼピン系は効果と安全性の高さが特徴の薬で、精神科や心療内科、産婦人科や内科でも使用される機会が多い薬と言われます。

 

効果を実感しやすく、それでいて深刻な副作用も少ないというバランスの良さから、現在もっとも使用される機会が多い睡眠導入剤です。

 

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の特徴として、作用する時間が短いということがあげられます。

 

そのため「寝付きが悪い」という入眠障害のタイプには効果的ですが、夜中に何度も目が覚める中途覚醒のタイプには効果が発揮されません。

 

マイスリーの他に、アモバンやルネスタといった睡眠導入剤も、非ベンゾジアゼピン系に分類されます。

 

マイスリーは超短時間型の睡眠導入剤

 

マイスリーは服用してすぐに眠気が訪れる、即効性に優れた睡眠導入剤です。

 

時計

 

睡眠導入剤には、作用する時間によって、

 

  • 超短時間型
  • 短時間型
  • 中時間型
  • 長時間型

 

の4種類に分類されますが、マイスリーは超短時間型に分類される睡眠導入剤で、服用してすぐに効果が現れる薬になります。

 

ただしその反面、上記でもご紹介した通り、マイスリーは長く体内にとどまらない薬ですので、中途覚醒や早朝覚醒タイプの人には向かない睡眠導入剤です。

 

即効性があるが、副作用が少ない

 

マイスリーは即効性のある睡眠導入剤ですが、それでいて睡眠導入剤の副作用に見られる、ふらつきやせん妄(脳の機能が低下し混乱状態になること)といった副作用が少ないと言われています。

 

そうした穏やかな効き目が特徴となりますが、しかし、必ずしもマイスリーには副作用がないという訳ではありません。

 

詳しくは後述しますが、服用する前に飲み方や時間をきちんと確認して服用しなければ、重篤な副作用が起こる可能性もあるということを理解しておきましょう。

 

マイスリーの服用に向いている人は?

 

マイスリーには即効性があり、効果の持続時間が長く続かないという特徴があります。

 

そのためマイスリーの服用に向いている人は、寝付きが悪い、入眠障害の人に最適の睡眠導入剤と言えます。

 

マイスリーの成分

 

マイスリー5mgには日局ゾルピデム酒石酸塩5mgを有効成分として、添加物として以下のものが含まれています。

 

  • ヒプロメロース
  • 乳糖水和物
  • 三二酸化鉄
  • 結晶セルロース
  • デンプングリコール酸ナトリウム
  • ステアリン酸マグネシウム
  • カルナウバロウ
  • マクロゴール
  • 黄色三二酸化鉄
  • 酸化チタン

 

マイスリーの効果・効能

 

脳

 

マイスリーは脳内の興奮を司る神経伝達の働きを抑えて、自然に近い形で寝付きを良くする効果があります。

 

睡眠時は脳がレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返して休息を取っているのですが、マイスリーは睡眠後のレム睡眠に影響を与えることなく、眠りをサポートする薬です。

 

睡眠の質が良くなる効果も実証されています。

 

マイスリーの効果が出るまでの時間、持続時間について

 

マイスリーの効果が出るまでの時間

 

マイスリーは服用して15〜30分の内に効果が出る、即効性のある睡眠導入剤です。

 

飲んですぐに眠気が現れる薬ですので、マイスリーを服用してから車の運転などは行わないよう、気をつけて下さい。

 

人によってはマイスリーに全く効き目を感じられなかった、という事もあります。

 

医師は患者の話を聞きながら、薬の量を調節したり、他の薬へ変更したりします。

 

どうしても効き目を感じられないのであれば、早めに医師に相談してみることをおすすめします。

 

マイスリーの持続時間

 

マイスリーは服用してから1時間未満で、薬の血中濃度が最高値となって、2〜4時間の間で半分になります。

 

「寝付きは悪いけれど、一度寝てしまえば朝まで目が覚めない」という人は、マイスリーを効果的に利用することができます。

 

しかし夜中に何度も目が覚めてしまうような人(中途覚醒)や早朝覚醒タイプの人には、マイスリーでは不眠を解消できないということになります。

 

その場合は別のお薬に変更をする事もありますので、医師に自分の不眠の症状を伝えるようにしてみて下さい。

 

マイスリー服用の注意点

 

薬を飲む水

 

アルコールと一緒に飲むことはNG!

 

マイスリーに限らずどのお薬でも言えることですが、アルコールと一緒に睡眠導入剤を服用してはいけません。

 

マイスリーとアルコールを同時に摂取してしまうと、薬の効果が強く出てしまったり、転倒やふらつきなどの症状が現れる可能性があり、とても危険です。

 

もしアルコールを摂取してしまったら…

 

睡眠導入剤とアルコールの同時接種は、薬の効果を強めてしまったり副作用を起こしたりする危険性がありますので、絶対にしてはいけません。

 

とは言え、会社の飲み会などでアルコールを口にする機会もありますよね。

 

もし飲酒をしてしまったのであれば、マイスリーは最低でも2時間は空けてから服用するようにして下さい。

 

基本的に不眠に悩んでいる時にアルコールは控えた方が良いと言われます。

 

眠れない時にお酒に力に頼る人もいますが、アルコールを摂ると脳が麻痺している状態になり、実際には質の悪い、浅い睡眠しか取れないのだそうです。

 

就寝の直前に服用する

 

上記でも紹介しましたが、マイスリーは服用後すぐに眠気が訪れます。

 

そのため「あとはもう寝るだけ」といった状況を整えた上で服用するようにして下さい。

 

決められた用量、用法を守る

 

「効き目が感じられないから」と薬の量を勝手に増やしたり、「充分に眠れるようになったから」と勝手に服用を中止したりしてはいけません。

 

薬の量を増やすことは副作用の危険性も高くなりますし、突然薬を中断すると、以前よりも強い不眠症状に陥る危険性もあります。

 

薬の量を決めるのは医師の仕事です。

 

患者である私たちは、プロである医師の判断に従うことが大切です。

 

マイスリーの副作用について

 

効き目が穏やかで副作用の心配が少ないのが、マイスリーの特徴です。

 

しかし薬である以上、副作用が起こる場合もあります。

 

マイスリーに見られる副作用は以下の通りです。

 

  • 服用直後のめまい、ふらつき
  • 睡眠中の歩行、運動
  • 頭痛、イライラ、倦怠感
  • 依存性
  • 起床時までの持ち越し効果

 

特に睡眠導入剤を飲み始めた直後は、このような副作用が現れる可能性も高くなります。

 

2、3日すると症状は治まることがほとんどですが、副作用がひどい、数日経っても治まらない場合は、すぐに医師に相談するようにして下さい。

 

また睡眠導入剤を決められた用量、用法を守らない場合、副作用が出る可能性がありますので、必ず医師や薬剤師の指示に従ってマイスリーを服用するようにして下さい。

 

マイスリーは太る?

 

「マイスリーを服用したら副作用で太る」という噂があります。

 

女性をはじめ、体重を気にする人からすると、気になる問題ですね。

 

確かに抗うつ薬の中には、食欲を増進する効果がある薬もあり、体調は良くなったけれど太ってしまったことが原因で落ち込む、という悪循環に陥る人もいます。

 

しかしマイスリーには太る要因になるような成分は含まれていません。

 

ではどうしてこのような噂が出たのでしょう。

 

推測の域を出ませんが、まずは夕食の時間が遅いということが考えられます。

 

食べてすぐに眠ると、睡眠薬を飲んでいる飲んでいないに関わらず、太りやすくなってしまいます。

 

また、マイスリーを服用したことで、夜ぐっすりと眠れるようになったから、というパターンも考えられます。

 

ストレスが改善されたことで健康的になり、落ちていた食欲を取り戻し、結果として体重が増加してしまったのかもしれません。

 

反対に、不眠の原因ともなっているストレスが原因で過食になり、体重が増加したという事も考えられます。

 

いずれにしてもマイスリー自体には太る原因はないと考えられています。

 

 

睡眠導入剤の副作用ついて、詳しい記事はこちら

 

 

マイスリーの薬への依存性は?

 

睡眠導入剤を飲み続けると、薬への依存性が高まってしまい、薬の量が増えてしまったり、急に服薬を止めてしまうことによってリバウンドが起こる場合もあります。

 

薬を突然止める事によって起こるリバウンドを反跳現象、反跳作用と言います。

 

しかしマイスリーは効き目が穏やかな薬ですので、反跳作用はほとんどないと言われます。

 

とは言え、人によっては、精神的に「薬を飲まないと眠れない」といった気持ちになる場合もあります。

 

これはマイスリーに限らず睡眠導入剤すべてに言えることですので、事前に理解しておきましょう。

 

マイスリーを処方してもらうには

 

マイスリーは一般的に使用される機会が多い睡眠導入剤です。

 

精神科や心療内科など、心の病気を診る病院はもちろん、産婦人科や内科、整形外科などでも処方されることがあります。

 

しかし病院に行って「マイスリーを処方して下さい」と医師にお願いすることはできません。

 

薬を決めることは医師の仕事です。

 

医師は患者の症状を詳しく聞き、経験に則って薬を処方します。

 

野菜でも買うように「先生、マイスリーを下さい」「ハイ、どうぞ」といった流れで薬を出すことは決してありません。

 

患者である私たちは不眠の症状をメモするなどして、診察時に医師に詳しく説明できるようにしておきましょう。

 

マイスリーのジェネリックってある?

 

最新の薬は便利で良いものですが、価格が高いというデメリットがあります。

 

ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れてから別の製薬会社が販売する価格の安い薬です。

 

ドラッグストアなどで、ジェネリック医薬品の風邪薬などを購入した人もいるでしょう。

 

成分や効果は新薬と同じ量ですので、安全性も高く、かつ安価で購入できる薬として多くの人が利用しています。

 

マイスリーのジェネリック(後発医薬品)は?

 

マイスリーは2000年に販売が開始された薬ですので、ジェネリック医薬品もいくつか販売されています。

 

ゾルピデム

 

  • ゾルピデム「ファイザー」
  • ゾルピデム「NP」
  • ゾルピデム「サワイ」
  • ゾルピデム「トーワ」

 

このような名称で販売されています。

 

ちなみにゾルピデムとはマイスリーの一般名のこと。

 

「一般名+会社名」とするのが、ジェネリック医薬品の通例のようです。

 

マイスリーのジェネリック、値段は?

 

マイスリー5mgの薬価が49.6円、10mg78.7円で販売されています。

 

対してジェネリック医薬品になりますと、5mg26.9円、10mg42.8円で販売されています。

 

  5mg 10mg
マイスリー 49.6円 78.7円
マイスリーのジェネリック 26.9円 42.8円

 

ジェネリックだと、約半分の値段で購入できることが分かりますね。

 

元々マイスリーは薬価が高いと言われていましたので、ジェネリックで少しでも安く購入できるのはありがたいことです。

 

マイスリーをジェネリックに変更して欲しい時は?

 

最近では薬局に在籍している薬剤師の方から「こちらのお薬はジェネリック医薬品がありますが、どうしますか?」といった声かけをしてくれる場合があります。

 

ジェネリック医薬品に変更をしてほしい時は、薬局で処方せんを提出する際に「ジェネリック医薬品でお願いします」と伝えれば、マイスリーのジェネリック医薬品を出してもらえます。

 

事前に医師に相談しても構いませんので、遠慮せずに聞いてみるようにして下さいね。

 

マイスリーが効かない…なぜ?

 

薬が合っていないケース

 

人の体は個人差が大きく、「すごくよく効いた!」という人がいれば「全く効き目を感じられなかった」という人もいます。

 

マイスリーを服用しても効果を感じられない人は、薬がその人と合っていない場合が考えられます。

 

効果を実感できない場合は、主治医に相談をして薬の変更をしてもらうことも方法のひとつです。

 

マイスリーへの耐性ができている

 

睡眠導入剤には多少の耐性があります。

 

長期間に渡って薬を服用していると、体が成分に慣れてしまい、今までのように効果を実感できなくなってしまうのです。

 

マイスリーは耐性も緩い薬ですが、人によっては耐性ができて、今までと同じ量を服用しても効果を感じられなくなる場合があります。

 

イライラ、不安が大きい場合

 

マイスリーは非ベンゾジアゼピン系に属する薬で、主に「眠る」ことに特化した薬で、ストレスやイライラを抑える作用はありません。

 

ベンゾジアゼピン系に属する睡眠導入剤には、不安やイライラを抑える作用や、緊張をやわらげる作用があり、精神的なストレスが原因となる不眠やうつ病患者にも使用される薬です。

 

いくらマイスリーで眠気を感じても、心配事やストレスで頭がいっぱいになっていると、頭が冴えてしまって眠ることができなくなってしまいます。

 

ストレスや不安が大きい人には、非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤は効き目が感じられないという人が多いようです。

 

マイスリーの効き目が感じられない場合は、必ず医師に相談して薬を変更、量の調節をしてもらうようにしましょう。

 

まとめ

 

睡眠に悩んでいる人は実は多いのですが、「薬に頼りたくない」「依存症が怖い」といった理由から、病院に行かずに悩み続けている人も少なくありません。

 

マイスリーを始めとする睡眠導入剤は、正しく使用すれば不眠の悩みも改善され、副作用の心配も少ないお薬です。

 

医師は始めから依存する程強い量の薬を処方することはまずありません。

 

寝付きの悪さで困っている人は、医師に相談してみることが不眠症改善の一歩につながるかもしれませんよ。